整形トピックス
超音波剪断波エラストグラフィを用いた投球動作前後における肩周囲筋のstiffness変化
鶴上 浩規
1
,
糸魚川 善昭
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院整形外科
pp.60-60
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_60
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近年,腱や筋損傷といった軟部組織損傷が多いスポーツ障害における画像診断はX線像だけでなく,軟部組織の評価に有用な超音波検査やMRI検査が行われることが多くなってきた.特に超音波検査は非侵襲的な検査であり,手元にあればすぐに検査ができるため臨床現場で使用される頻度が高くなっている.しかし,これらの画像診断は “解剖学的な破断” を評価しており,実際の臨床現場で患者が訴える “硬さ” や “張り” を定量評価することはできない.投球障害においては反復的なコッキング動作やフォロースルー時の引張力による結果,肩後方組織が厚く硬くなり腱板損傷や上方関節唇(SLAP)の損傷につながることが知られているが1,2),軟部組織の “硬さ” を画像評価する方法は確立されていない.そこで,近年物質の弾性率(stiffness)を定量評価できる超音波剪断波エラストグラフィ(shear wave elastography with ultrasound:SWE)[図1]が注目されている.
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