Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
【要 旨】
目 的:本研究の目的は膝前十字靱帯(ACL)再建術の臨床成績にSegond骨折の合併が影響を及ぼすか否かを調査することである.
対象および方法:PubMed,Embase,Cochrane Libraryの三つのデータベースを用いて,Preffered Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses(PRISMA)ガイドラインに従い,2020年7月27日に検索を行った.研究の選定基準は,エビデンスレベル1~4の研究のうちSegond骨折の有無について言及した初回ACL再建術の臨床研究とした.
結 果:合計2,418例の患者を含む5つの研究が選択基準に該当した.2,418例のうち女性987例(40.8%),平均年齢25.4歳で,Segond骨折群304例(平均年齢28.1歳,女性35.9%),非骨折群2,114例(平均年齢25.1歳,女性41.5%)であった.4つの研究で未修復のSegond骨折群(292例)と非骨折群(2,114例)のACL再建術を受けた患者の結果を比較していた.一つの研究では,12例の患者に対してACL再建とSegond骨折の修復が同時に行われていた.Segond骨折群では3.8%の再断裂・再手術が報告されたのに対し,非骨折群では6.9%の再断裂・再手術が報告された.2群間で再断裂のリスクに有意差はなく,リスク比は0.59[95%信頼区間(CI)0.32~1.07,p=0.08,I2=0%]であった.Segond骨折群と非骨折群の間で,International Knee Documentation Committee(IKDC)スコア,Lysholmスコア,Tegner activity scale,術後膝関節安定性に有意差はなかった.
結 論:未修復のSegond骨折は,ACL再建術後の膝安定性や再断裂・再手術のリスク,術後臨床成績に有意な影響を及ぼさないことが示唆された.
© Nankodo Co., Ltd., 2024