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連載 最新原著レビュー
修復困難な腱板大・広範囲断裂に対するExtreme medializationは有意な機能改善が得られる
Extreme medialized repair for challenging large and massive rotator cuff tears reveals healing and significant functional improvement
水城 安尋
1
Y. Mizuki
1
1佐世保共済病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Sasebo Kyosai Hospital, Sasebo
キーワード:
massive rotator cuff tear
,
arthroscopy
,
medialization
Keyword:
massive rotator cuff tear
,
arthroscopy
,
medialization
pp.1283-1287
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_1283
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【要 旨】
目 的:本研究の目的は,修復困難な腱板大・広範囲断裂に対して新たな手術法であるExtreme medialized repair(Ex-medialization)を実施し,術後の関節可動域,筋力,臨床成績,および再断裂率を評価することである.
対象および方法:2017年6月~2020年8月に施行された388例の腱板断裂例のうち,内外径30mm以上,前後径30mm以上の64例を対象とした.手術は全身麻酔と腕神経叢ブロック麻酔下で行い,骨頭上方の骨軟骨部を切除し,内側にスーチャーアンカーを挿入した.術後は2年以上の経過観察を実施した.
結 果:64例の対象例では,術前後でvisual analogue scale(VAS)スコアが50.7から11.8,関節可動域(前方挙上107°から151°,外転100°から154°),筋力(外転1.9kgから5.0kg,外旋3.5kgから7.7kg)が有意に改善した.再断裂率は3.1%(2例)であり,臨床的アウトカムスコアもすべて有意に改善した.
結 論:Ex-medializationは,大規模な腱板断裂に対して有効な治療オプションであり,短期的には良好な臨床成績が得られることが示された.しかし,長期的成績やほかの手術法との比較にはさらなる研究が必要である.
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