Japanese
English
論述
中高齢者における前十字靱帯再建術の検討
Anterior Cruciate Ligament Reconstruction in Middle-aged Patients
豊田 敬
1
,
冨士川 恭輔
1
,
松本 秀男
1
,
竹田 毅
1
Takashi Toyoda
1
1慶應義塾大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
前十字靱帯再建術
,
ACL reconstruction
,
人工靭帯
,
artificial ligament
,
中高齢
,
middle age
Keyword:
前十字靱帯再建術
,
ACL reconstruction
,
人工靭帯
,
artificial ligament
,
中高齢
,
middle age
pp.241-246
発行日 1994年3月25日
Published Date 1994/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901313
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抄録:Leeds-Keio人工靱帯による前十字靱帯(以下ACL)再建術を施行した40歳以上の症例26例27膝の術後成績を検討した.術中14膝に半月板損傷を,17膝にgrade 2以上の軟骨変性を認めた.術後は27膝中25膝に良好な関節安定性が得られ,4膝に軽度の関節可動域制限を認めた,日常生活動作中の疼痛は5膝に認めたが,大腿内側顆のgrade 2以上の軟骨変性に内側半月板切除が加わると有意に疼痛の発生頻度が高かった.中高齢者は既に関節軟骨や半月板の退行性変性など変形性関節症(以下OA)の基盤が高率にあり,これが術後疼痛の原因となり易いことなどから,一般にACL再建術の適応外とされている.しかし今回の結果より,中高齢者においても多くの症例で良好な関節安定性が得られスポーツ活動に復帰しており,患者の活動性,関節不安定性の程度,motivation,OA変化の程度を慎重に考慮すれば,若年者に劣らぬ術後成績が期待できる.
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