Diagnosis Procedure Combinationデータからみる大腿骨近位部骨折患者への整形外科医と麻酔科による集学的管理の有用性

Usefulness of multidisciplinary management by orthopedic surgeons and anesthesiologists for patients with hip fracture based on Diagnosis Procedure Combination data

は じ め に

　高齢者の大腿骨近位部骨折は多くの術後合併症，高い死亡率を引き起こす^1～3）．海外では老年内科病棟での整形外科医と老年内科医との共同管理による集学的治療が患者の転帰を改善するとの報告が多い^4～6）．一方，わが国ではいまだ整形外科病棟に入院させ，患者の全身状態に応じて整形外科医主導で内科診療を受けさせる体制が多い．

　当院では患者は整形外科病棟に入院し，整形外科医主導の診療体制のまま，麻酔科医と共同で作成した集学的管理プログラムで大腿骨近位部骨折患者への治療を行っている．本稿では，Diagnosis Procedure Combination（DPC）データから大腿骨近位部骨折患者への集学的管理プログラムの有用性を検討したので報告する．