Japanese
English
経験と考察
大腿骨近位部骨折早期手術のための手術決定アルゴリズムの有用性
Surgical decision algorithm for early surgery of hip fracture
植木 正明
1
,
深澤 高広
2
M. Ueki
1
,
T. Fukazawa
2
1西脇市立西脇病院麻酔科
2西脇市立西脇病院整形外科
1Dept. of Anesthesiology, Nishiwaki Municipal Hospital, Nishiwaki
キーワード:
hip fracture
,
early surgery
,
surgical decision algorithm
Keyword:
hip fracture
,
early surgery
,
surgical decision algorithm
pp.1060-1064
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_1060
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は じ め に
大腿骨近位部骨折患者は手術までの待機時間が10時間経過するごとに,重篤な有害リスクが12%増加するとの報告1)がある.欧米では48時間以内の早期手術が推奨され2,3),整形外科医と老年内科医が共同主治医となり,多職種連携チームとともに退院まで管理し,術後合併症,死亡率の軽減をめざしている4).一方,日本では整形外科医が主治医として術前評価を行い,内科的疾患があれば,内科に手術可能かどうか,および周術期治療を依頼し,手術に臨んでいる.この医療システムでは手術までの待機期間が長くなり,早期手術が困難なことが多いとされている5).
当院では麻酔科医が欧米の老年内科医のかわりに早期手術に向けて患者の重症度を評価し,早期手術を行える患者と,重篤な合併症の管理のため内科診察依頼後に待機手術を行う患者とに選別する手術決定アルゴリズムを作成し,2017年から早期手術に取り組んできた.本研究では,当院の手術決定アルゴリズムによる手術までの待機期間,術後合併症,予後に及ぼす影響を従来方法と比較・検討した.
© Nankodo Co., Ltd., 2020