整形トピックス
同胞発生患者由来iPS細胞を用いた後縦靱帯骨化症の遺伝的要因の探索
川井 俊介
1,2
1京都大学iPS細胞研究所増殖分化機構研究部門
2京都大学整形外科
pp.140-140
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_140
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
骨格を構成する組織(骨,軟骨,靱帯,腱など)の異常は,日常生活に必要な身体機能に障害をきたし,そのなかには生命予後を脅かす重篤な疾患も存在する.特に遺伝性あるいは新生の経配偶子性変異を原因とする先天性疾患の多くは難治性であり,また希少な疾患であることから,体系的研究がすすんでおらず,有効な治療法が存在していない.現在,骨格系の疾患に限らず,このような希少難病に対して,患者から樹立した人工多能性幹細胞(iPS細胞)を活用して病態をin vitroで再現し,創薬に結びつける研究が,多くの領域においてすすめられている1,2).その研究の多くは,単一遺伝子に起因する疾患(単一遺伝子病)であるが,われわれは遺伝的背景も因子に含まれる「多因子疾患」の解析を,iPS細胞を用いて試みている.
© Nankodo Co., Ltd., 2022