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特集 脊椎外科最近の進歩(第25回日本脊椎外科学会より)
頚椎後縦靱帯骨化症患者の遺伝的要因と力学的負荷の関係
The Relationship between Genetic Factor and Mechanical Stress on the Pathogenesis of OPLL
松永 俊二
1
,
酒匂 崇
1
,
武富 栄二
1
,
溝口 成朋
1
,
林 協司
1
Shunji Matsunaga
1
1鹿児島大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Faculty of Medicine, Kagoshima University
キーワード:
ossification of the posterior longitudinal ligament
,
後縦靱帯骨化症
,
genetic factor
,
遺伝的要因
,
human leukocyte antigen haplotype
,
HLAハプロタイプ
,
mechanical stress
,
力学的負荷
Keyword:
ossification of the posterior longitudinal ligament
,
後縦靱帯骨化症
,
genetic factor
,
遺伝的要因
,
human leukocyte antigen haplotype
,
HLAハプロタイプ
,
mechanical stress
,
力学的負荷
pp.483-488
発行日 1997年4月25日
Published Date 1997/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902156
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抄録:頚椎後縦靱帯骨化症(OPLL)の成因はいまだ不明である.本研究では,OPLLの成因として遺伝的要因と頚椎部の力学的負荷がどのように関係しているかを知る目的でOPLL患者家系のHLAハプロタイプ解析と日常生活における頚椎への力学的負荷の状態を調査した.OPLL患者105名における頚椎への力学的負荷の状態に関する調査ではOPLL患者は頚椎前屈位保持時間が頚椎性脊髄症患者に比べ有意に長かった.OPLL手術例24名とその兄弟61名によるHLAハプロタイプ解析では,HLAハプロタイプの共有度が高いほどOPLLの頻度が高く,遺伝的因子の関与が示唆された.また,HLAハプロタイプの共有度が高いにもかかわらずOPLLの認められない兄弟は,OPLLの認められる兄弟より頚椎前屈位保持時間が有意に長かった.OPLLは遺伝的因子が基礎にあると考えるが,頚椎部の機械的負荷も本症の発生に二次的要因として重要である.
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