Japanese
English
論説
片側性の成長期腰椎疲労骨折(分離症)初期例に対する早期運動復帰の影響
Effect of early return to sports in the treatment of unilateral early type lumbar stress fractures(spondylolysis)
兼子 秀人
1
,
村上 元庸
1
H. Kaneko
1
,
G. Murakami
1
1村上整形外科クリニック
1Murakami Orthopaedic Clinic, Koka
キーワード:
lumbar stress fracture
,
spondylolysis
,
early stage
,
unilateral lesion
,
return to sports
Keyword:
lumbar stress fracture
,
spondylolysis
,
early stage
,
unilateral lesion
,
return to sports
pp.1325-1329
発行日 2022年12月1日
Published Date 2022/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei73_1325
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は じ め に
腰椎分離症はその多くが椎弓の関節突起間部の疲労骨折が偽関節化したものであることが知られており,Sairyoら1)がMRIを用いた診断法を提唱してから,偽関節化する前の急性期疲労骨折(腰椎疲労骨折)の状態での早期診断が可能となった.早期診断された場合の腰椎疲労骨折の骨癒合に影響を与える因子として,骨折の進行度や対側椎弓の状態,安静加療の有無,罹患高位,潜在性二分脊椎の有無が報告されている2~4).中でも,辰村ら5)は対側椎弓の偽関節は偽関節化の強いリスクであると報告している.われわれは以前,腰椎疲労骨折の初期病変に限定して癒合率を調べた6)ところ,年齢,性別,罹患高位,潜在性二分脊椎の有無などは癒合率に影響せず,対側椎弓の偽関節の有無と安静加療の有無が影響を与えていた.本稿では,対側椎弓の影響を除外するために片側罹患に限定して,早期運動復帰による安静加療の有無が癒合にどのように影響を与えるかを検討したので報告する.
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