Japanese
English
経験と考察
再発例からみた腰椎疲労骨折画像の解釈
Understanding radiological images of lumbar stress fractures from recurrent cases
小林 良充
1
,
尾藤 晴彦
2
,
船越 雄誠
3
,
滝 正徳
4
,
塩崎 太郎
3
,
大嶋 教勢
4
,
浮田 大貴
4
,
阿部 真行
5
,
杉山 雅洋
6
,
中西 潤
7
Y. Kobayashi
1
,
H. Bito
2
,
Y. Funakoshi
3
,
M. Taki
4
,
T. Shiozaki
3
,
K. Oshima
4
,
H. Ukita
4
,
M. Abe
5
,
M. Sugiyama
6
,
J. Nakanishi
7
1聖隷浜松病院スポーツ整形外科
2浜松市リハビリテーション病院スポーツ医学センター
3聖隷浜松病院膝・スポーツ整形外科
4聖隷浜松病院足・スポーツ整形外科
5聖隷浜松病院肩関節外科
6浜松市リハビリテーション病院放射線科
7みうら整形外科
1Dept. of Sport Orthop. Surg., Seirei Hamamatsu General Hospital, Hamamatsu
キーワード:
lumbar stress fracture
,
spondylolysis
,
signal change
,
refracture
,
recurrence
Keyword:
lumbar stress fracture
,
spondylolysis
,
signal change
,
refracture
,
recurrence
pp.5-11
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_5
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は じ め に
成長期腰椎疲労骨折の画像所見で,MRIの信号変化は片側にあり,CTで左右両側の椎弓に骨折があることがある.信号変化のない椎弓の骨折が偽関節型ならば,信号変化のある骨折はこの骨折より後に生じたと考える.しかし両側とも不全骨折の場合は,その解釈に戸惑う.このような画像所見は臨床でよくみるが,この点に関して言及している報告はない.
筆者らは,腰椎疲労骨折の広義の再発(recurrence)を,初診時骨折と異なる高位の腰椎や同じ腰椎の異なる部位に新たな骨折が発生する再発と,骨癒合しかかった骨折の狭義の再発・再骨折(refracture)に分類し,再発例の約3割に初診の時点ですでに骨癒合後の骨折の痕跡や偽関節化した骨折を認め,その多くに腰痛歴がなかったことなどを報告した1).また信号変化を伴う腰椎疲労骨折が偶然発見されることがあり,無症状で運動を続けながら骨折が骨癒合もしくは偽関節となる可能性を示唆した2).
本稿では,前述した画像所見を理解する一助になると考え,再発例を椎体高位別に検討した.
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