陸上競技の種目と成長期腰椎疲労骨折

Pediatric lumbar stress fractures by track and field events

は じ め に

　腰椎分離症の急性期である成長期腰椎疲労骨折はサッカー，野球，陸上競技，バスケットボールなどでの発生が多いことが報告されている^1～4）．これらのうち，球技においてはダッシュやジャンプ，キックやバットスイングなどの複合的な動作が多いが，陸上競技では種目によって走行が中心のものから体幹の伸展や回旋を多用するものまでさまざまな種目特性があり，球技に比べ比較的単一の動作が主要な動作であることが多い．そのため，陸上競技の種目別に本疾患の頻度差を検討すれば発生に関与する動作が明らかになり，治療・予防に役立つ可能性がある．

　そこでわれわれは，腰椎疲労骨折の頻度を陸上競技の種目別に調査し，その種目特性から腰椎疲労骨折発生のリスクとなる動作について検討した．