Japanese
English
臨床室
非定型的腰椎疲労骨折の3例
Developmental mechanism of atypical stress fractures of the fifth lumbar vertebra:report of three cases
小林 良充
1
,
尾藤 晴彦
2
,
船越 雄誠
1
,
滝 正徳
3
,
鈴木 浩介
1
,
杉山 雅洋
4
Y. Kobayashi
1
,
H. Bito
2
,
Y. Funakoshi
1
,
M. Taki
3
,
K. Suzuki
1
,
M. Sugiyama
4
1聖隷浜松病院スポーツ整形外科
2浜松市リハビリテーション病院スポーツ医学センター
3聖隷浜松病院スポーツ・足の外科
4浜松市リハビリテーション病院放射線科
1Dept. of Sports Orthop. Surg., Seirei Hamamatsu General Hospital, Hamamatsu
キーワード:
lumbar stress fracture
,
spondylolysis
,
inferior articular process
Keyword:
lumbar stress fracture
,
spondylolysis
,
inferior articular process
pp.871-874
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei74_871
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成長期腰椎疲労骨折は関節突起間部だけでなく関節突起間部以外にも発生し,左右の椎弓で独立しているが,まれに棘突起を横断し左右の椎弓に及ぶ骨折像を呈することがある.このような骨折を本稿では非定型的腰椎疲労骨折と呼ぶことにし,関節突起間部以外の骨折の一つである下関節突起部疲労骨折1)の最近の知見に基づいて,この非定型的腰椎疲労骨折の発生機転を考察した.
症例は17歳の男子2例と13歳の女子1例で,これら非定型的腰椎疲労骨折は全例L5に生じ,いずれもMRI脂肪抑制T2強調画像で高輝度信号変化がみられた(表1).男子2例はL4,女子1例はL3とL4に不全骨折を合併しており,L3の骨折は高輝度変化を伴った.男子1例のL5片側椎弓に皮質の隆起,もう1例にはL5関節突起間部の不全骨折があった.男子1例は3ヵ月間の骨癒合を目的とした保存的治療を行い骨癒合を得た.男子1例と女子は運動継続を希望した.3例とも腰痛の既往はなかった.
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