Japanese
English
特集 ロコモティブシンドロームの現況
Ⅱ.病態・診断
4.ロコモ度判定と障害関節
Difference of locomotive syndrome risk test among patients with degenerative diseases in the spine and lower extremities
黒川 由貴
1
,
加藤 仁志
1
,
加畑 多文
1
,
出村 諭
1
,
松原 秀憲
1
,
八幡 徹太郎
1
,
土屋 弘行
1
Y. Kurokawa
1
,
S. Kato
1
,
T. Kabata
1
,
S. Demura
1
,
H. Matsubara
1
,
T. Yahata
1
,
H. Tsuchiya
1
1金沢大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Graduate School of Medical Sciences, Kanazawa University, Kanazawa
キーワード:
locomotive syndrome risk test
,
degenerative disease
,
lower extremity
,
spine
Keyword:
locomotive syndrome risk test
,
degenerative disease
,
lower extremity
,
spine
pp.543-546
発行日 2021年5月20日
Published Date 2021/5/20
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_543
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は じ め に
ロコモティブシンドローム(ロコモ)は,三つのロコモ度テストで評価し,ロコモなし,ロコモ度1,ロコモ度2と判定される.ロコモ度テストは,身体的機能評価である立ち上がりテスト,2ステップテストと主観的機能評価であるロコモ25で構成される.これらの尺度は互いに一定の相関があるものの,それぞれが垂直方向の移動能力(立ち上がりテスト),水平方向の移動能力(2ステップテスト),生活活動機能(ロコモ25)を評価するため,多面的にとらえる観点から三つすべてを行うことが望ましいとされている1).一方,ロコモの原因には,骨折や骨粗鬆症,そして脊椎・下肢関節の変性疾患があげられる.脊椎・下肢関節の変性疾患では,重症化した場合,障害関節によりロコモ度テストの結果に影響が表れ,さらにそれらに対する手術後も,障害関節によりロコモ度の改善度に差が生じることがわかってきた.
本稿では,障害関節とそれらに対する手術がロコモ度判定および三つのロコモ度テストに与える影響について述べる(本稿のデータは先行研究2)を一部改変したものを用いている).
© Nankodo Co., Ltd., 2021