Japanese
English
整形手術手技
頚椎症性脊髄症および頚椎後縦靱帯骨化症に対する前後合併手術の手術成績
Surgical results of anterior-posterior decompression fusion surgery for cervical spondylotic myelopathy and cervical posterior longitudinal ligament ossification
古川 満
1
,
奥山 邦昌
1
,
河野 友祐
1
,
菊池 謙太郎
1
M. Furukawa
1
,
K. Okuyama
1
,
Y. Kawano
1
,
K. Kikuchi
1
1静岡市立清水病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Shizuoka City Shimizu Hospital, Shizuoka
キーワード:
CSM
,
OPLL
,
anterior-posterior decompression surgery
Keyword:
CSM
,
OPLL
,
anterior-posterior decompression surgery
pp.231-237
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_231
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
脊髄への圧迫要因は,脊髄前方病変と後方病変に大きく分けられる.前方病変には,変形性頚椎症に基づく椎体後縁骨棘,椎間板膨隆,椎間板ヘルニア,後縦靱帯骨化があり,後方病変には,黄色靱帯肥厚,黄色靱帯石灰化,発育性脊柱管狭窄症がある1).
頚椎症性脊髄症(CSM)は,一般的に椎弓形成術が行われているが,頚椎局所後弯例において椎弓形成術の手術成績が劣っており2),また術前MRIにおいてmodified K-Lineと前方圧迫要素との距離が4mm未満の症例で前方脊髄圧迫要素が残存しやすい3)ことが報告されている.
頚椎後縦靱帯骨化症(OPLL)においても,骨化脊柱管占拠率が50%以上の症例では前方除圧固定術が椎弓形成術よりも手術成績がよく安全であり4),また後方からの間接除圧のみでは前方からの脊髄圧迫が術後に残存する症例が多い5)と報告されている.
われわれは,後方シフトで脊髄の圧排が除圧される高位には椎弓形成術を,前方からの圧排が高度であり後方シフトで対応できない高位には前方固定術を行う前後合併手術を行ってきた.本研究の目的は,CSMおよびOPLLに対して前後合併手術を施行した症例の手術成績を調査することである.
© Nankodo Co., Ltd., 2020