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特集 脊椎外科最近の進歩―OPLLを中心として―(第26回日本脊椎外科学会より)
頚椎後縦靱帯骨化症による脊髄症入院非手術例の予後
Prognosis of Non Surgical Cases of Cervical Myelopathy due to OPLL
澤村 悟
1
,
鷲見 正敏
1
,
片岡 治
1
,
池田 正則
1
,
向井 宏
1
Satoru Sawamura
1
1国立神戸病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Kobe National Hospital
キーワード:
OPLL
,
頚椎後縦靱帯骨化症
,
cervical myelopathy
,
脊髄症
,
natural history
,
自然経過
Keyword:
OPLL
,
頚椎後縦靱帯骨化症
,
cervical myelopathy
,
脊髄症
,
natural history
,
自然経過
pp.505-510
発行日 1998年4月25日
Published Date 1998/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902421
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抄録:頚椎後縦靱帯骨化症(以下,OPLL)による脊髄症の手術適応を知る目的で,保存的治療の効果および自然経過に影響を及ぼす因子について検討した.過去14年間の頚椎OPLL脊髄症のうち,手術を行わずに1年以上の追跡調査が可能であった52例を対象として,X線並びにMRI所見を検討した.X線像による検討では,分節型,混合型といった椎間可動性を有する骨化型,C4/5椎間高位より尾側に脊柱管の最狭窄部位がある症例で追跡調査時に悪化例が多く認められた.MR像による追跡調査結果では,脊髄横断面が三角型を呈するもの,脊髄圧迫の程度の強いもの,髄内に高信号領域を有するもので悪化する傾向が認められた.追跡調査時,52症例中23例(44.2%)に症状の改善がみられたが,悪化例も20例(38.5%)を占め,たとえ軽症例であっても,いたずらに保存的治療に固執することなく,症例によっては手術的治療を考慮すべきであると考えられた.
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