Japanese
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特集 脊柱靱帯骨化症研究の進歩
Ⅳ.手術的治療の研究
6.胸椎後縦靱帯骨化症手術における全国多施設前向き研究
-―中間報告
Surgical outcomes for thoracic ossification of the posterior longitudinal ligament in the nationwide multicenter study-prospective study
今釜 史郎
1
,
安藤 圭
1
,
小林 和克
1
,
石黒 直樹
1
,
松本 守雄
2
,
川口 善治
3
,
大川 淳
4
S. Imagama
1
,
K. Ando
1
,
K. Kobayashi
1
,
N. Ishiguro
1
,
M. Matsumoto
2
,
Y. Kawaguchi
3
,
A. Okawa
4
1名古屋大学整形外科
2慶應義塾大学整形外科
3富山大学整形外科
4東京医科歯科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Nagoya University Graduate School of Medicine, Nagoya
キーワード:
thoracic OPLL
,
surgical outcome
,
prospective multicenter study
,
postoperative complication
Keyword:
thoracic OPLL
,
surgical outcome
,
prospective multicenter study
,
postoperative complication
pp.595-597
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_595
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は じ め に
胸椎後縦靱帯骨化症(胸椎OPLL)は頚椎OPLLよりも頻度は低いが,術前には高度脊髄圧迫による重篤な脊髄症状を呈し(図1),合併症や手術成績不良に悩むことが多い.1987年Ohtsukaらは50歳以上の日本人5,074例のX線を調査し,頚椎OPLLの頻度は3.2%,胸椎OPLL 0.8%と述べているが1),画像検査の進歩や疾患認識向上などの理由から,近年その頻度は上昇している2).
本疾患は術後麻痺が高率であるにもかかわらず,症例集積が困難なために治療方法の検討・確立がむずかしい状況であったが,1994年度以降,4回の胸椎OPLL手術に関する全国多施設研究が行われてきた3).いずれの研究も重要な知見が集積されたものであったが,後ろ向き研究の限界があり未解決の問題が残っていた.
そこで2011年12月より,より正確なデータを得るべく,胸椎OPLLの前向き手術症例登録を行ってきた.登録症例115例でエントリー完了し,今後の経過も前向きにデータ収集を行っていくが,本稿では,最近登録された症例を除き,周術期のデータがすべて揃った95例に関し,術式の変遷や周術期合併症について中間報告を行う.
© Nankodo Co., Ltd., 2018