Japanese
English
特集 脊柱靱帯骨化症研究の進歩
Ⅳ.手術的治療の研究
5.非骨傷性頚髄損傷に対する早期手術と待機治療のランダム化比較試験
-―OSCIS試験
Optimal treatment for spinal cord injury associated with cervical canal stenosis;OSCIS study
筑田 博隆
1
H. Chikuda
1
1群馬大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi
キーワード:
spinal cord injury
,
OPLL
,
early surgery
,
randomized controlled trial
,
traumatic central cord syndrome
Keyword:
spinal cord injury
,
OPLL
,
early surgery
,
randomized controlled trial
,
traumatic central cord syndrome
pp.590-594
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_590
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
は じ め に
高齢人口の増加に伴い,わが国の疾病構造は大きく変化した.整形外科領域においても,高齢者の低エネルギー外傷が着実に増えつつある.非骨傷性頚髄損傷は,高齢者に多くみられ,わが国における頚髄損傷の7割を占めている.非骨傷性頚髄損傷に対しては,早期リハビリテーションを中心とした保存治療が行われているが,高齢者における予後は必ずしも良好ではない.OPLLなどによる脊柱管狭窄を伴う非骨傷性頚髄損傷に対し,受傷早期の除圧手術が有効か否かについては,いまだ結論が出ていない.この問題を解明し,新しいエビデンスを確立すべく,われわれは脊柱管狭窄を伴う非骨傷性頚髄損傷に対する早期手術と待機治療のランダム化比較試験(OSCIS試験)を開始した.本稿では,現在進行中のOSCIS試験の背景と概要について述べる.
© Nankodo Co., Ltd., 2018