特集 表から裏まで! 隅々まで語る肺高血圧症―common diseaseを見逃さないために
[Chapter 4] 肺高血圧症治療戦略
肺動脈性肺高血圧症における肺移植の適応と実際
波多野 将
1
1東京大学医学部附属病院 循環器内科/高度心不全治療センター
キーワード:
両肺移植
,
リスク層別化指標
,
REVEALリスクスコア
,
ソタテルセプト
Keyword:
両肺移植
,
リスク層別化指標
,
REVEALリスクスコア
,
ソタテルセプト
pp.113-118
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika137_113
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★★肺移植の対象となる年齢は,原則として両肺移植では登録時に55歳未満,片肺移植では登録時に60歳未満であることが必要であるが,肺動脈性肺高血圧症(PAH)の患者では十分な肺血管床を確保するために通常両肺移植を必要とすることから,55歳未満の患者が対象になる.
★★PAHの患者に対する肺移植適応の判断には通常2022年改訂版欧州心臓病学会(ESC)/欧州呼吸器学会(ERS)ガイドラインの提唱するフォローアップ時の非侵襲的リスク層別化指標やREVEALリスクスコアが用いられるが,わが国においては平均肺動脈圧(mPAP)も重視されている.
★ソタテルセプトがわが国でも使用可能となり,肺移植を必要とする重症患者にも効果が期待されているが,長期的に肺移植を回避できるかは今後の検討課題であるため,当面の間肺移植登録は現行の基準に従って行うべきである.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容

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