特集 プライマリハ(プライマリケア×リハビリテーション治療)のすすめ―内科医が押さえておきたい基本と新常識
[Chapter 4] 包括的リハビリテーション医療の真髄
プライマリケア医のための「薬剤×運動」処方ガイド
-リハビリテーション効果を最大化する薬物療法の新常識
吉村 芳弘
1
1熊本リハビリテーション病院 サルコペニア・低栄養研究センター
キーワード:
薬剤と運動の相互作用
,
サルコペニア
,
ポリファーマシー
,
漢方薬
Keyword:
薬剤と運動の相互作用
,
サルコペニア
,
ポリファーマシー
,
漢方薬
pp.1262-1267
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_1262
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
★★★超高齢社会において,医療の焦点は疾患の治療から生活機能の維持・向上へと移行している.プライマリケア医は,治療の根幹である運動療法を安全かつ効果的に指導するため,患者が服用する薬剤との相互作用を理解することが不可欠である.
★★スタチンやメトホルミンといった日常的に処方される薬剤が,運動による筋力増強や体力向上の効果を意図せず減弱させる可能性がある.その機序を理解し,薬剤の選択や運動処方の調整,場合によってはデプレスクライビング(計画的な減薬・中止)を検討することが重要である.
★将来的には,ミオスタチン阻害薬のようなサルコペニアに対する新規治療薬が登場し,ケアは大きく変わる可能性がある.そのとき,プライマリケア医は「運動療法」「栄養療法」「機能改善薬」「デプレスクライビング」を統合し,患者一人ひとりの機能予後を最大化する司令塔としての役割を担うことになるであろう.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容

© Nankodo Co., Ltd., 2025

