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English
今月の主題 IBDの内視鏡的粘膜治癒─評価法と臨床的意義
序説
炎症性腸疾患の内視鏡的粘膜治癒─評価法と臨床的意義
Introduction
松本 主之
1
Takayuki Matsumoto
1
1岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
Crohn病
,
粘膜治癒
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
Crohn病
,
粘膜治癒
pp.146-147
発行日 2018年2月25日
Published Date 2018/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201275
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はじめに
本邦での有病率の増加に伴い,炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease ; IBD)の診断と治療は消化管専門医や内視鏡医にとって重要な課題となっている.特に,Crohn病(Crohn's disease ; CD)と潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis ; UC)の治療では,生物学的製剤や免疫調節薬を用いた治療法選択と効果判定に一定の知識が要求されるようになった.
IBDの治療に大きな影響を与えたのは抗TNFα(tumor necrosis factor α)抗体である.抗TNFα抗体は腸病変を治癒に至らしめ,良好な臨床経過が得られることから,従来の“症状改善”とは異なる治療目標,すなわち“粘膜治癒”や“組織学的寛解”の概念が導入され1),治療目標を個別化した治療方針(treat-to-target)の概念が提唱されるに至った2).しかし,粘膜治癒の定義と意義に関しては未解決の点も少なくない.本号はこれらの問題点を解決すべく企画された.
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