特集 血栓・止血の異常を理解する―広くて深い基礎知識
[Chapter 1] 血栓・止血の入り口
血栓性疾患の背景の考察
窓岩 清治
1
1東京都済生会中央病院 臨床検査医学科
キーワード:
動脈血栓症
,
静脈血栓塞栓症(VTE)
,
血栓性素因
,
血栓性微小血管症(TMA)
,
播種性血管内凝固症候群(DIC)
Keyword:
動脈血栓症
,
静脈血栓塞栓症(VTE)
,
血栓性素因
,
血栓性微小血管症(TMA)
,
播種性血管内凝固症候群(DIC)
pp.712-717
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_712
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▪血栓症は,止血機構が何らかの病態により血管内で作用することで形成される病的血栓が血管を閉塞することによって引き起こされる循環障害である.
▪動脈血栓症の多くは粥状硬化性プラークの破綻により形成される血栓であり,血小板に,フィブリンと赤血球が種々の程度で混在することも多い.
▪静脈血栓症は血流のうっ滞,血管内皮細胞がもつ抗血栓性の消失,組織因子を起点とする血液凝固反応の活性化によるもので,炎症病態がトリガーとなる.
▪血栓性微小血管症(TMA)は,血小板減少,血小板血栓による臓器障害をきたす疾患群であり,その発症機序はさまざまである.
▪播種性血管内凝固症候群(DIC)は凝血学的検査により診断される症候群であるが,静脈血栓症との共通点も多い.
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