特集 血栓に強くなる―産婦人科診療に活かす最新知識―
Ⅲ.薬物療法と留意点
12.ホルモン療法と静脈血栓塞栓症
若槻 明彦
1
1愛知医科大学産婦人科
キーワード:
エストロゲン
,
静脈血栓塞栓症(VTE)
Keyword:
エストロゲン
,
静脈血栓塞栓症(VTE)
pp.1135-1140
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.34433/og.0000000415
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要旨
経口エストロゲン製剤には静脈血栓塞栓症(VTE)リスクがあるが,ホルモン補充療法(HRT)の場合には経皮エストロゲンを使用することでそのリスクは回避できる.したがって,ホルモン治療を行う際には,経口避妊薬と低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(OC・LEP)のVTEリスク対策が重要である.VTEリスクは内服するOC・LEPのエチニルエストラジオール(EE)量に依存することがわかっている.また,VTEの発症は内服開始後3カ月間が最も高く,VTEの症状を認めればDダイマーの測定やさらなる精査が必要となる.
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