特集 骨髄腫と類縁疾患―全身をみわたす診断・治療
骨髄腫に関連する検査
骨髄腫の予後予測
-予後予測と予後因子に基づく治療選択
半田 寛
1
1群馬大学医学部附属病院 血液内科
キーワード:
国際病期分類(ISS)
,
染色体遺伝子異常
,
微小残存病変(MRD)
,
脆弱性評価
Keyword:
国際病期分類(ISS)
,
染色体遺伝子異常
,
微小残存病変(MRD)
,
脆弱性評価
pp.707-713
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_707
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Summary
▪多発性骨髄腫(MM)の予後を予測する因子として,血清β2ミクログロブリン値(β2MG)と血清アルブミン値(ALB)による国際病期分類(ISS),染色体異常,遺伝子発現(GEP),次世代シーケンサーによって検出される遺伝子異常,これらを組み合わせた予後分類がさまざまに報告されている.
▪MM細胞あるいは疾患自体に由来する要因だけでなく年齢や臓器機能,脆弱性フレイルティなど患者に由来する要因にも注意を払う必要がある.
▪治療奏効の深さや奏効期間が,治療前に測定される上記の指標では捉えられない予後不良MMを抽出することが報告されている.
▪これらの予後因子に基づいた治療戦略の確立は今後の課題である.
© Nankodo Co., Ltd., 2022