特集 知っておくべき!モノクロな薬たち(注:モノクローナル抗体の話ですよ〜)
【第2部 これは知っておきたい!モノクロな薬たち(腫瘍性疾患)】
❺骨髄腫に使用されるモノクローナル抗体—エロツズマブ、ダラツムマブ、イサツキシマブ
角南 一貴
1
1国立病院機構岡山医療センター 血液内科
キーワード:
infusion reaction
,
骨髄腫
,
抗SLAMF7抗体
,
抗CD38抗体
,
造血器腫瘍診療ガイドライン
Keyword:
infusion reaction
,
骨髄腫
,
抗SLAMF7抗体
,
抗CD38抗体
,
造血器腫瘍診療ガイドライン
pp.703-707
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204327
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CASE
イサツキシマブにより劇的に病状が改善した骨髄腫の1例
患者:60代、女性。40代に骨髄腫を発症し、自家移植、プロテアソーム阻害薬、免疫調節薬などを使用し、病状は一進一退を繰り返していたが、ついにM蛋白の増加、汎血球減少の進行および骨病変の増悪などがみられ、病状が進行してきた。次の治療としてイサツキシマブ単剤療法(20 mg/kg)を施行した。初回開始時にはグレード2程度のinfusion reactionがみられたが、アセトアミノフェンおよびヒドロコルチゾンの投与で軽快し、次の投与からはinfusion reactionは認められなかった。1サイクル目で発熱性好中球減少を合併したが、イサツキシマブの休薬およびG-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)製剤、抗菌薬の投与にて速やかに改善した。その後はイサツキシマブの投与は継続できており、投与開始1年後では全血算はすべて正常、M蛋白は90%以上の減少という治療効果が得られた。
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