特集 老年栄養―高齢者の低栄養,フレイル,サルコペニア
老年栄養を極める
人工栄養導入での意思決定支援と多職種チームアプローチ
天野 晃滋
1
1国立がん研究センター中央病院 緩和医療科
キーワード:
人工的栄養水分補給
,
がん終末期
,
医学的妥当性
,
倫理的妥当性
,
がん悪液質
Keyword:
人工的栄養水分補給
,
がん終末期
,
医学的妥当性
,
倫理的妥当性
,
がん悪液質
pp.265-268
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_265
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Summary
▪進行がんでは,人工的栄養水分補給(AANH)に関する医学的側面のエビデンスは十分ではなく,倫理的側面からの検討も欠かせない.
▪数日以内に死の差し迫った場合でも,必要最小限の人工的水分補給(AAH)は,個々のケースで患者と家族の信念と認識を踏まえ検討する.
▪医療者の認識と患者および家族の要望とにギャップがあることが多いため,人工栄養導入での意思決定支援では,心理的適応やコーピングの援助だけでなく適切な情報提供や教育,さらに終末期の話し合い(end-of-life discussion)を含めた多職種によるチームアプローチが望ましい.
© Nankodo Co., Ltd., 2022