特集 消化器外科における周術期栄養療法
Ⅰ.総論 3)がん悪液質に対する栄養療法
奥川 喜永
1
,
大北 喜基
2
,
北嶋 貴仁
1
,
川村 幹雄
2
,
大井 正貴
2
,
問山 裕二
2
1三重大学医学部附属病院ゲノム医療部/同 大学院医学系研究科消化管・小児外科学
2三重大学大学院医学系研究科消化管・小児外科学
キーワード:
がん悪液質
,
栄養療法
,
集学的ケア
Keyword:
がん悪液質
,
栄養療法
,
集学的ケア
pp.761-768
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000004414
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消化器外科領域における手術加療は,この10年で飛躍的に進歩し,以前のような開腹手術を中心とした手術から,腹腔鏡手術やロボット支援手術などの普及により,実臨床においては根治性を担保した低侵襲手術が広く行われるようになった。その一方,がん治療もまた新たな殺細胞性抗がん剤を中心としたレジメンの開発に加え,新規分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤の登場と普及,さらにはより精密な放射線治療である強度変調放射線治療(intensity modulated radiation therapy;IMRT)の開発などにより,がんの根治性を高める目的に術前化学放射線療法なども積極的に行われるようになり,術前ならびに術後治療も含むより広義の周術期において,その治療の複雑さから,宿主の身体を支えてあげる栄養療法は,副作用の軽減と治療効果の増強を目的に,その重要性を増すこととなった。

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