連載 ドクターGとドクターS ~「Generalist⇄Specialist」連携のポイント~
ケース ⑩ ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症
小川 まゆ
1
,
齋田 瑞恵
1
,
内藤 俊夫
1
1順天堂大学医学部総合診療科講座
pp.1375-1382
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_1375
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今回のポイント
かかりつけ医の役割 Generalist
✓早期診断と慢性期の管理が重要な役割となる.
✓適切なタイミングでヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症を疑い,検査をすることが大切である.
✓HIV感染者の高年齢化が進んでおり,多くの慢性併存症を抱えることも少なくない.糖尿病,慢性腎臓病,脂質異常症などの慢性併存症の管理をかかりつけ医が担う必要がある.
✓医師-患者関係を構築して内服コンプライアンスの確認や,定期的な性感染症予防の啓発,ワクチン接種を推奨する.
専門医との連携 Specialist
✓HIV感染症の診断後は速やかに専門医に紹介して抗レトロウイルス薬(ART)を開始する.
✓慢性期においては,専門医療機関で測定されるHIV-RNA量やCD4陽性リンパ球数をもとに,ウイルス感染のコントロール状況を把握する.後天性免疫不全症候群(AIDS)への移行阻止が最重要項目である.
✓家族やパートナーへの告知・説明状況も共有する.
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