今月の主題 臨床医のためのわかりやすい免疫学
免疫不全と感染症
HIVと免疫と感染症
山本 伸二
1
,
仲宗根 正
1
,
本多 三男
1
1国立予防衛生研究所エイズ研究センター・エイズ予防治療室
pp.2112-2115
発行日 1992年11月10日
Published Date 1992/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901880
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ポイント
1)HIV感染症が重篤な免疫不全症を引き起こすことは周知のとおりである.しかし,それはHIV感染症の終焉像であり,感染後の大部分は8〜10年間続く潜伏期である.臨床家にとって,この時期こそ重要な意味がある.
2)長期に及ぶ潜伏期は免疫不全状態ではなく,むしろサイトカイン産生の亢進を伴う免疫異常状態で,それに伴う自己免疫疾患様症状が観察されることがしばしばある.
3)ここではHIV感染症をサイトカイン産生異常症という概念で捉え直し,臨床においてパラメーターとして有用なサイトカインの可能性を探ってみる.
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