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第5章 感染症
[ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症]注射製剤によるHIV感染症治療
安達 英輔
1
1東京大学医科学研究所附属病院 感染免疫内科
キーワード:
長時間作用型抗HIV薬
,
cabotegravir
,
rilpivirine
Keyword:
長時間作用型抗HIV薬
,
cabotegravir
,
rilpivirine
pp.540-543
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_540
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Summary
・抗ヒト免疫不全ウイルス(HIV)療法は長い間,服用アドヒアランスが最重要課題とされてきたが,長時間作用型抗HIV薬はアドヒアランスの概念を変える可能性がある.
・長時間作用型抗HIV薬として初めて登場したcabotegravir・rilpivirineは,臨床試験では間違いなく投与されているにもかかわらず原因不明のウイルス学的失敗を認めるケースがあったが,実臨床においては現在のところ抗ウイルス効果は良好である.
・cabotegravir・rilpivirineはHIVとともに生きる人々(PWH)の満足度が高く,実臨床でも多くの患者が導入・継続を希望している.
・現在開発中の薬剤は多くが長時間作用型であり,今後は長時間作用型の抗HIV療法が診療の中心となっていくと考えられる.
© Nankodo Co., Ltd., 2024