特集 感染症2020―冬のインフルエンザ・夏のオリンピックに備える
オリンピック時に問題となり得る感染症
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
塚田 訓久
1
1国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター
キーワード:
U=U
,
PEP
,
PrEP
Keyword:
U=U
,
PEP
,
PrEP
pp.61-64
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_61
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪オリンピックとは無関係に,ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者は本邦にも存在するため,どの医療機関にも受診する可能性がある.
▪HIV感染症を専門としない内科医の役割は,「診断」と「治療で安定したHIV感染者の合併症管理」である.日和見疾患や性感染症で受診した際には,積極的にHIV検査を考慮する必要がある.
▪治療で安定したHIV感染者が日和見疾患を発症することは少なく,非HIV感染者の場合と同様に鑑別診断を進める.診療にあたっては抗HIV薬との相互作用に配慮が必要である.
▪本邦では曝露後予防(PEP)や曝露前予防(PrEP)の体制は整っていないが,世界的には普及しているため,相談が寄せられる可能性がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2020