特集 高齢者における消化器診療
高齢者における代表的消化器疾患とその治療
肝 炎
小木曽 智美
1
,
徳重 克年
1
1東京女子医科大学消化器内科
キーワード:
C型肝炎
,
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
,
B型肝炎
Keyword:
C型肝炎
,
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
,
B型肝炎
pp.851-854
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_851
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Summary
▪本邦では慢性肝疾患の主たる原因はC型肝炎ウイルス(HCV)であったが,直接作用型抗ウイルス薬(DAA)によりHCVの治療成績は大きく向上した.
▪高齢者でも安全性が担保され,DAAによる治療が可能となったが,腎障害の合併や他の内服薬との薬剤相互作用に注意を要する.
▪B型肝炎ウイルス(HBV)に対しては,耐性変異を誘導することの少ない核酸アナログ製剤とワクチン接種が可能となった.
▪高齢者ではワクチン接種率が低いことが指摘される.
▪肥満の増加により非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は増加し,今後,最も高頻度な肝疾患となると考えられる.
▪高齢者でもNAFLDの頻度は高率であり,サルコペニアに起因する非肥満NAFLDにも留意する必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2021