特集 高齢者における消化器診療
Overview
高齢者における消化器疾患の疫学と問題点
増崎 亮太
1
,
神田 達郎
1
,
森山 光彦
1
1日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野
キーワード:
高齢化
,
消化器がん
,
年齢調整死亡率
,
炎症性腸疾患
Keyword:
高齢化
,
消化器がん
,
年齢調整死亡率
,
炎症性腸疾患
pp.789-791
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_789
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Summary
▪2021年,65歳以上の高齢者は3,621万5千人と過去最多となっている.
▪悪性新生物は死因第1位であり,年齢階級別死亡率は60歳代から増加し,高齢になるほど高い.部位別死因では,男女合わせて1位が肺,2位が大腸,3位が胃,4位が膵臓,5位が肝臓と,消化器がんが上位を占める.
▪高齢者の炎症性腸疾患は増加傾向にあり,一般的に高齢者では臓器予備能が低下しており,併存疾患が多いことから介入のタイミングが重要である.鑑別も困難なことがあり早めに専門医に相談するようにする.
▪高齢者では,B型肝炎ウイルス既往感染者が2~3割いるとされ,生物学的製剤,免疫チェックポイント阻害薬の投与後にB型肝炎再活性化を起こすことがあり,投与前に肝炎ウイルスマーカーの確認と専門医に相談することが重要である.
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