消化器がん術後患者における退院時の精神的苦痛に関する予測因子の検討

Predictive factors associated with psychological distress at discharge in postoperative patients with digestive cancer

Abstract：本研究の目的は初期評価を用いて，消化器がん術後患者における退院時の精神的苦痛を予測する因子を明らかにすることである．精神的苦痛の評価には，つらさと支障の寒暖計（Distress and Impact Thermometer：DIT）を用いた．初期評価として，Numerical Rating Scale for Pain，機能的自立度評価法（Functional Independence Measure：FIM），Frenchay Activity Index（FAI）で評定した．また，FAIで，食事の支度，趣味，仕事の有無を調査した．重回帰分析の結果，FIM cognitiveが退院時DITつらさおよび支障の予測因子として抽出された．術後のコミュニケーション能力の低下は，消化器がん術後患者の精神的苦痛に負の影響を及ぼすことを示した．