Japanese
English
第5土曜特集 mRNAワクチンやゲノム編集で注目が集まる遺伝子治療
遺伝子治療技術を用いた疾患治療
消化器がんに対する腫瘍融解ウイルス療法
Oncolytic virotherapy for gastrointestinal cancer
藤原 俊義
1
,
黒田 新士
1
,
田澤 大
1
Toshiyoshi FUJIWARA
1
,
Shinji KURODA
1
,
Hiroshi TAZAWA
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科消化器外科学
キーワード:
アデノウイルス
,
テロメラーゼ
,
消化器がん
,
食道がん
,
膵がん
Keyword:
アデノウイルス
,
テロメラーゼ
,
消化器がん
,
食道がん
,
膵がん
pp.446-452
発行日 2023年4月29日
Published Date 2023/4/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28505446
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
がんは1981年以来,わが国の死亡原因の第1位であり,なかでも消化器がんは半数以上を占めており,消化器がん治療の進歩は国民衛生の向上に非常に重要である.遺伝子工学技術が進歩した今,遺伝子改変ウイルスをがん細胞のみを殺傷する治療用医薬品として用いることが可能となってきた.ウイルスはその生活環として本来,ヒトの細胞に感染・増殖し,その細胞をさまざまな機序により破壊する.この細胞傷害性をがん細胞に標的化することで安全性を担保できれば,臨床的にがん治療用ウイルスとしての使用が期待できる.また最近では,ウイルス製剤が宿主の免疫を活性化するという分子機構が明らかとなってきており,複合免疫療法としての開発も進んでいる.本稿では,筆者らが開発しているアデノウイルス製剤を中心に,消化器がんに対するがん治療用ウイルスの可能性を概説する.
Copyright © 2023 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.