特集 2020年代の内科診療―26テーマの近未来予想
脳神経内科
[変性疾患]
aducanumabの登場により大きく変わる認知症診療
井原 涼子
1
1東京都健康長寿医療センター脳神経内科
キーワード:
Alzheimer病
,
疾患修飾薬
,
aducanumab
,
バイオマーカー
Keyword:
Alzheimer病
,
疾患修飾薬
,
aducanumab
,
バイオマーカー
pp.1217-1220
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_1217
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Summary
▪2021年6月に米国でAlzheimer病の初めての疾患修飾薬aducanumab(商品名:AduhelmTM)が承認されたという歴史的なニュースが飛び込んできた.
▪現在認可されている症状改善薬と異なり,疾患修飾薬は特定の病態に作用するようにつくられており,裏を返せば,その病態を有する人にしか効果がない.そのため,診断の精度を上げ,適切に対象を選定する必要があり,その枠組みをつくっていくことが急務である.
▪疾患修飾薬の対象となるMCI~軽症ADの拾い上げは,認知症を専門とする医師数に比して適応患者数が多いことから,疾患修飾薬の実用化にはかかりつけ医レベルでの認知症評価の精度向上が不可欠である.
© Nankodo Co., Ltd., 2021