特集 “認知症+併存疾患” アプローチの最前線
代表的な認知症
Alzheimer型認知症
井原 涼子
1
,
岩田 淳
1
1東京都健康長寿医療センター 脳神経内科
キーワード:
Alzheimer病
,
アミロイドβ
,
リン酸化タウ
,
バイオマーカー
Keyword:
Alzheimer病
,
アミロイドβ
,
リン酸化タウ
,
バイオマーカー
pp.1261-1264
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_1261
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Summary
▪Alzheimer病(AD)は,認知症の原因として最も多く,典型的には老年期に短期記憶障害から発症し,徐々に障害される領域が拡大することによって,日常生活の自立の障害を生じる緩徐進行性の疾患である.
▪日常診療では問診によって日常生活の状況を聴取し,簡易認知機能検査,頭部MRIなどの脳画像検査を行って診断に至ることが多い.
▪ただし,ADは,本来,老人斑と神経原線維変化という二つの顕微鏡的病理変化を特徴とする病理学的疾患であり,臨床診断と病理診断の乖離が課題であった.
▪ADの病態に作用する根本治療薬の開発と並行して,生前の病理診断の精度を高めるバイオマーカーが開発されており,その実用化は近い.
© Nankodo Co., Ltd., 2022