特集 2020年代の内科診療―26テーマの近未来予想
血液内科
[造血系・リンパ系疾患]
B細胞リンパ腫に対する免疫エフェクター細胞療法・二重特異性抗体
伊豆津 宏二
1
1国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科
キーワード:
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
,
CAR-T細胞療法
,
二重特異性抗体
Keyword:
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)
,
CAR-T細胞療法
,
二重特異性抗体
pp.1201-1204
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_1201
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Summary
▪びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の再発・難治例を対象として,最近CD19標的キメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞療法が複数承認され,臨床利用が始まっている.同じくB細胞リンパ腫を対象としてCD20×CD3二重特異性抗体の開発が進んでいる.
▪両者はいずれも,B細胞リンパ腫に発現している抗原を標的とした治療で,免疫エフェクター細胞の働きを利用した治療である.また,サイトカイン放出症候群や神経系有害事象といった共通の有害事象がある.
▪CAR-T細胞療法や二重特異性抗体により再発・難治性DLBCLの予後が改善することが期待されるが,それぞれの役割が今後明らかになっていくと考えられる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021