特集 いま知っておきたい! 内科最新トピックス
第3章 血液・造血器
血友病の最新治療
大森 司
1
1自治医科大学医学部生化学講座病態生化学部門
キーワード:
半減期延長型製剤
,
バイスペシフィック抗体
,
RNA干渉
,
遺伝子治療
Keyword:
半減期延長型製剤
,
バイスペシフィック抗体
,
RNA干渉
,
遺伝子治療
pp.457-460
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_457
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
・血友病は血液凝固第Ⅷ因子または第Ⅸ因子の遺伝子異常による遺伝性出血性疾患である.
・現在では,凝固因子製剤による出血の管理が容易となったため,治療目標は致死的な出血を抑制するというよりも,むしろ繰り返す関節出血に伴う関節障害の制御にシフトしている.
・現在では定期的に凝固因子製剤を使用する定期補充療法が普及している.
・これまでの凝固因子製剤の半減期はきわめて短いため,頻回の投与が必要であった.
・近年では,半減期延長型製剤,非凝固因子製剤であるバイスペシフィック抗体などの画期的な薬剤の登場によって投与回数が劇的に減少した.
・非凝固因子製剤ではこれまで治療に難渋していたインヒビター保有患者の治療も可能である.
・疾患治癒を目指した遺伝子治療についても有望な成績が得られている.
© Nankodo Co., Ltd., 2020