特集 CKD患者を診たら―最近のCKD診療の知見とその活かし方
一般診療でも遭遇する腎臓の指定難病
IgA腎症
鈴木 仁
1
1順天堂大学医学部附属浦安病院腎・高血圧内科
キーワード:
IgA腎症
,
糖鎖異常IgA1
,
免疫複合体
,
粘膜免疫応答異常
Keyword:
IgA腎症
,
糖鎖異常IgA1
,
免疫複合体
,
粘膜免疫応答異常
pp.1035-1039
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_1035
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Summary
▪IgA腎症は,糸球体メサンギウム領域へのIgA優位な沈着を呈する原発性糸球体腎炎であり,本邦における原発性糸球体腎炎の約40%を占める最も疾患頻度の高い糸球体腎炎である.
▪本邦における腎生検症例の約1/3がIgA腎症と診断されている.本症の年齢分布は30~39歳にピークがあるものの,10歳代から50歳代まで広く分布しており,発症率,有病患者数における性差は認めない.
▪糖鎖異常IgA1やその関連免疫複合体が病因に深く関与していることが明らかとなってきており,扁桃を主とする粘膜免疫応答異常の病態への関与が考えられている.
▪2020年に「IgA腎症診療ガイドライン2020」が作成され,エビデンスに基づく治療アルゴリズムが提唱された.
▪近年病態の解明に基づき,抗APRIL抗体をはじめとする新たな分子標的治療薬の国際治験が開始されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2021