Japanese
English
特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅱ.糸球体疾患
3.IgA腎症
Current understanding of pathogenesis of IgA Nephropathy
二瓶 義人
1
,
鈴木 仁
1,2
Nihei Yoshihito
1
,
Suzuki Hitoshi
1,2
1順天堂大学大学院医学研究科腎臓内科
2順天堂大学医学部附属浦安病院腎高血圧内科
キーワード:
IgA腎症
,
Gd-IgA1
,
免疫複合体
,
TLR9
,
APRIL
Keyword:
IgA腎症
,
Gd-IgA1
,
免疫複合体
,
TLR9
,
APRIL
pp.39-45
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000993
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はじめに
IgA腎症は,腎メサンギウム領域にIgA抗体の優位な沈着を認める,世界で最も疾患頻度の高い原発性糸球体腎炎である。一般的に顕微鏡的血尿と蛋白尿を伴う緩徐な腎機能障害の進行を呈することが多いが,未治療・未介入の場合,約3~4割の症例が,10~20年の経過で末期腎不全に至る予後不良の疾患である1)。Bergerらによって疾患概念が提唱され50年余りが経過する現在でも病因・病態に未解明な点が多く,疾患特異的な治療法は確立されていない。そのため,わが国では指定難病に認定されている。しかしながら,近年その病因・病態が徐々に解明され,これに即した新規治療薬が開発されるなど,IgA腎症治療の選択肢が拡がりつつある。本稿では,腎炎惹起性IgA抗体・免疫複合体の産生機序を中心に,最近の知見を踏まえてIgA腎症の病因・病態を解説したい。
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