特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第9章 血液
慢性骨髄性白血病
田畑 里佳子
1
,
南 陽介
1
1国立がん研究センター東病院血液腫瘍科
pp.899-901
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_899
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慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia:CML)は,フィラデルフィア(Ph)染色体を伴う造血幹細胞レベルの異常による白血病である.Ph染色体は9番染色体と22番染色体の相互転座の結果生じる染色体で,これが形成される過程で9番染色体上のc-abl遺伝子はその上流側に切断を生じ,22番染色体上のbcr遺伝子と融合し,bcr-abl型のキメラ遺伝子が形成される.通常は刺激により活性化されるABLは,BCRと融合しBCR/ABLを形成すると恒常的に活性化され,増血細胞のクローン増殖をきたすため,CMLが発症する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021