特集 非がん疾患に対する緩和ケア
エンドオブライフ・ケアにおける話題
オピオイド
平原 佐斗司
1
1東京ふれあい医療生活協同組合研修・研究センター
キーワード:
非がん疾患
,
オピオイド
,
呼吸困難
,
疼痛
Keyword:
非がん疾患
,
オピオイド
,
呼吸困難
,
疼痛
pp.263-267
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_263
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Summary
▪非がん疾患でオピオイドが必要となる苦痛は,呼吸困難,咳嗽,疼痛である.呼吸困難でオピオイドが必要となるのは,非がん性呼吸器疾患,心不全,腎不全,神経・筋疾患などの慢性疾患の終末期や非がん疾患の終末期に合併した肺炎である.
▪非がん疾患の呼吸困難の緩和のエビデンスは,慢性閉塞性肺疾患(COPD)以外は十分ではなく,morphine以外のオピオイドには質の高いエビデンスはない.実際のmorphineの投与法は1回2.5mgの頓用使用,あるいは10mg/日程度の少量から開始し,30mg/日まで漸増していく.
▪非がん性疼痛に対してのオピオイドは,morphine hydrochloride hydrate換算で60mg/日以下の可能な限り最低量に留め,投与期間は原則3ヵ月以内(最大6ヵ月以内)とし,レスキューは極力避けるようにする.
© Nankodo Co., Ltd., 2021