特集 非がん疾患に対する緩和ケア
症状アセスメントとマネジメント
総論:がんと非がん疾患での違い
平原 佐斗司
1
1東京ふれあい医療生活協同組合研修・研究センター
キーワード:
非がん疾患
,
緩和ケア
Keyword:
非がん疾患
,
緩和ケア
pp.175-179
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_175
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Summary
▪非がん疾患患者の苦痛は,がんの緩和ケアとは異なる点が少なくない.臓器不全群では呼吸困難の出現が多く,認知症,老衰群では嚥下障害や食べることに関する問題が多くみられる.
▪呼吸困難に対しては各疾患の基本的治療を継続したうえで,オピオイドの投与を検討する.必要に応じて,気道クリアランスの改善,マイナートランキライザーや酸素療法,非侵襲的陽圧換気療法(NPPV),高流量鼻カニュラ(HFNC)なども検討する.
▪嚥下障害に有効な薬剤はなく,ケアとリハビリテーションが中心となる.
▪全身倦怠感の要因は多様で,疾患ごとに対応が異なる.
▪疼痛にはacetaminophenを基礎薬とし,中等度の疼痛ではNSAIDsや弱オピオイドの定時投与を,強い疼痛に対しては強オピオイドの定時投与を行う.
© Nankodo Co., Ltd., 2021