最後までよい人生を支えるには 多死時代の終末期医療 非がんの終末期を支えるには
非がん疾患の緩和ケア 米国の実際
関根 龍一
1
1亀田総合病院 疼痛・緩和ケア科
キーワード:
緩和ケア
,
救急医療サービス
,
集中治療
,
チーム医療
,
患者による事前指示
,
医師臨床研修
,
ホスピスケア
,
アメリカ
,
統合医学
,
急性期病院
Keyword:
Emergency Medical Services
,
Internship and Residency
,
Palliative Care
,
Patient Care Team
,
United States
,
Advance Directives
,
Hospice Care
,
Integrative Medicine
pp.1164-1169
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014056486
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米国では国の保険の一つであるメディケアの中で,疾患を区別せず終末期を迎えた全国民を対象にホスピスケアが提供され,国民の約半数近くが受けている.一方,日本では緩和ケア/ホスピスケアの対象を悪性疾患(がん)とAIDSのみに限定しており,非がん疾患への緩和ケアをいかに仕組みとして導入・実践すべきか課題が多い.非がん疾患の緩和ケアのバリアには,現行の臨床研修制度が非がんの緩和ケアを扱う指針をまだ明確化していないこと,非がんの各疾患の予後予測がむずかしいこと,最終末期でも何らかの積極的治療が可能で回復する場合があること,などがある.国民一人ひとりが死生観を育て,人生の終末期に受けたい医療について家族・友人や医療者と率直に話し合える文化の醸成が,非がんの緩和ケアの普及に不可欠である.
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