特集 いま知っておきたい! 内科最新トピックス
第3章 血液・造血器
iPS細胞による血液製剤
杠 明憲
1
,
江藤 浩之
1,2
1京都大学iPS細胞研究所臨床応用研究部門
2千葉大学大学院医学研究院イノベーション再生医学
キーワード:
iPS細胞
,
巨核球
,
血小板
,
物理刺激
Keyword:
iPS細胞
,
巨核球
,
血小板
,
物理刺激
pp.461-463
発行日 2020年9月1日
Published Date 2020/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika126_461
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Summary
・輸血療法は標準治療として浸透しているが,少子高齢化や広域災害などによる献血の減少や血液型適合が必要な特定ドナーの不足リスクが懸念されており,献血を補完するシステムの開発は社会的に重要である.
・iPS細胞を用いた血小板製剤の開発は,すでに被験者への投与の段階を迎えている.
・血小板や赤血球は無核の細胞でありDNAを成熟細胞へもち込まないことから,各種細胞治療で問題となる造腫瘍性を回避でき,かつ今後はCRISPR/Cas9など遺伝子編集によって,たとえばHLAクラスⅠを欠失させた血小板製剤の生産など,体外産生である特性を生かした臨床への還元が期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2020