特集 腫瘍随伴症候群とオンコロジーエマージェンシー―病態や治療に伴う多彩な症状
トピックス:薬剤の特性から考えるオンコロジーエマージェンシー
分子標的治療薬によるオンコロジーエマージェンシー
高橋 雅信
1
1東北大学加齢医学研究所臨床腫瘍学分野
キーワード:
分子標的治療薬
,
血管新生阻害薬
,
心血管有害事象
Keyword:
分子標的治療薬
,
血管新生阻害薬
,
心血管有害事象
pp.1645-1647
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1645
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Summary
▪がん診療において,分子標的治療薬の導入以降,従来の殺細胞性抗がん薬ではあまりみられなかった有害事象が頻繁にみられるようになってきた.
▪各分子標的治療薬それぞれに特徴的な有害事象がみられ,ときにオンコロジーエマージェンシーも起こりうる.血管新生阻害薬における心血管有害事象,EGFR阻害薬における間質性肺疾患,抗HER2抗体における心毒性,mTOR阻害薬における間質性肺疾患や感染症,などである.
▪今後,新規作用機序の薬剤を含めてがん分子標的治療薬の種類が増加すると予想され,有害事象・オンコロジーエマージェンシーをうまく対処しながら,がん治療をより適切に進めていくことがますます求められる時代になっていくと予想される.
© Nankodo Co., Ltd., 2019