連載 プライマリーケア医のがんの診かた ~かかりつけ患者さんのがんと共にたたかうために~
第10回 かかりつけ患者さんに対するがんの支持療法:よくあるケースを知っておこう その③
公平 誠
1
1公平病院腫瘍内科
pp.449-455
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_449
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がんの薬物療法で最も懸念される重篤な有害事象の一つとして骨髄抑制による白血球減少と,それに伴う感染症が知られています.患者さんが発熱を主訴に来院して「抗がん剤治療中です」と申告された場合,診療する側としては心配になってしまいますよね.最近は,支持療法の進化や医療機関におけるがん治療の診療スキルの向上からがん薬物療法を外来で実施するケースが多くなってきています.そのため,白血球が減少している期間も自宅で過ごす患者さんが多くいらっしゃいます.発熱は日常的な症状ではありますが,そのなかでもとくに抗がん剤治療中の患者さんが注意すべき発熱性好中球減少症(febrile neutropenia:FN)について概説していきたいと思います.
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