連載 プライマリーケア医のがんの診かた ~かかりつけ患者さんのがんと共にたたかうために~
第6回 見落としてはいけない! かかりつけ患者さんのがんを疑う症状・症候 その②
公平 誠
1
1公平病院腫瘍内科
pp.1051-1055
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_1051
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今回は「見落としてはいけないがんの症状」として全身症状を扱いたいと思います.かかりつけ患者さんに熱が続いていたり,倦怠感が長期間とれないというのは日常診療でもよくみかける症状だと思います.担がん状態であればがんの増悪によって起きている可能性を想起するのは容易ですが,無病で長期生存中のがんサバイバーの場合には患者さん本人も医師も「がんの再発」というのはあまり思い浮かべないかもしれません.全身症状は全身の疾患が鑑別になりますので,内科診断学的にはreview of systemsによる系統だった問診や診察が必要です.これらの内科診断の方法は成書をご参照ください.数ある鑑別診断のうち,がんはその一つにすぎませんが本稿ではがん診療の観点から,がんに伴う全身症状について解説したいと思います.
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