連載 プライマリーケア医のがんの診かた ~かかりつけ患者さんのがんと共にたたかうために~
第11回 かかりつけ患者さんに対するがんの支持療法:よくあるケースを知っておこう その④
公平 誠
1
1公平病院腫瘍内科
pp.1185-1190
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1185
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プライマリーケアの現場では,腹痛・嘔気・嘔吐・下痢などの消化器症状を主訴とした患者さんを診療する機会は非常に多いです.症状や身体所見,患者背景から鑑別診断を考えて検査を行い診断をしていくわけですが,がん患者さんはがんやその治療に関連した消化器症状を呈している場合がありますのでそれらの病態も鑑別診断の一つとなります.がん患者さんやがんサバイバーの方が「気持ち悪くて何度も吐いています」という場合には,がんに関連した病態である可能性があるため要注意です.がん診療の主戦場が外来に移行している今日,がん関連の消化器症状についても念頭に置くことでがん患者さんを日常診療で診る自信につながると思います.今回は,消化器症状のうちがんに関連する嘔気・嘔吐の病態について概説していきます.
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