特集 神経疾患の現在とこれから
診療の最前線
重症筋無力症
長根 百合子
1
1総合花巻病院神経内科
キーワード:
重症筋無力症
,
早期速効性治療戦略
,
胸腺摘除
,
分子標的薬
Keyword:
重症筋無力症
,
早期速効性治療戦略
,
胸腺摘除
,
分子標的薬
pp.1253-1257
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1253
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Summary
▪重症筋無力症(MG)では死亡例,重症例は減少したが,症状改善レベルやQOLの不十分な患者が少なくない.
▪全身型MGの完全寛解はまれであり,治療目標として現実的ではない.日常生活に支障のないレベルの症状改善(minimal manifestations or better)と経口ステロイド減量(prednisolone≦5mg/日)を両立し,良好なQOLを早期達成することが推奨されている.
▪全身型MG治療において治療目標の早期達成には早期速効性治療戦略(EFT)が有効である.
▪通常の治療を可能な限り併用してEFTを行っても治療目標達成が困難な患者も少なくない.分子標的薬などの新規治療薬が必要とされている.
© Nankodo Co., Ltd., 2019